けい’s diary

以前米国に駐在し、現在中国在住の金融系サラリーマンの雑記帳です。

【新型肺炎】日本は中国より危険か。手続き論にこだわり過ぎてはいけない。

中国人の同僚から言われた一言です。

実際どうなんでしょうか。

 

私のまわりにいる中国駐在員の間では、上海等の都会と比較した場合、日本の方が「感染リスクは高い」という結論です。

 

日本では、上海の方が危険と考えている方が多いように思います。日本の方が安全とお考えの方には、中国政府が情報を隠蔽している、実際には感染者で溢れている。とお考えの方もいます。隠蔽の有無はともかくとして、中国政府が情報統制について強い関心を持っているのは、現地中国人を含め、周知の事実です。

 

一方、新型コロナの拡大防止対応という点においては、中国当局の徹底ぶりがすごいのも事実で、人の移動、集会、外出は制限されています。人との接触を減らせば、感染リスクが下がることは素人でもわかります。中国はこれを地で行っているわけです。

 

その成果もあり、少なくとも当局の発表によれば、上海、北京等の大都市で、ここ数日、新規感染者は数名、ゼロの日もあります。

 

一方、日本はどうでしょうか。テレワークを導入する会社や、各種セミナーを中止にする会社、入社式を中止、延期する会社などが報道されていますが、これらはあくまで少数派です。

 

朝晩の電車は相変わらずすごい混みようですし、マラソン大会も一部縮小しながらも開催されます。また少し熱を出たくらいでは、学生もサラリーマンは登校、出社するでしょう。「休んだらコロナと疑われるかも知れない。そしたら出社できない。迷惑をかけてしまう。」などと考えてしまう人も多いと思います。日本人の多くは、自分からは休めないと思います。

 

この状況が続くかぎり、日本で感染拡大が進むことは間違いありません。その点において、上海の方が感染リスクが低いと考えています。

 

中国の徹底ぶりについて、経済への悪影響が、、日本の政府には強い権限がないから、、日本では真似できないという意見も度々目にします。

経済に悪影響が生じるのは間違いないでしょう。ただし、それは中国をはじめ各国家同じです。経済への悪影響を考慮してでも一旦は事態収束を優先すべきという結論に至っているわけです。

強い権限がない、これもその通りだと思います。法的に、つまり手続き論的にダメ、というものです。しかし、上に書いたように、多くの日本人、日本企業は自主的に休めません。自己防衛にも限界があります。感染拡大防止を推し進めるには政府がリーダーシップをとるしかないように思います。

 

今回のような問題が発生すると、改めて政府のあり方、役割を考えさせられます。私個人の考えですが、安全保障、公衆衛生等の問題は、プロセスより結果に重きが置かれるべきだと思いっています。

そして安全保障、公衆衛生上の問題への対応こそ、本来「小さな政府」に求められる役割のはずです。

 

危機が迫った、混乱した状況では、平静を保ち、秩序ある行動をとることが求められます。ただし、危機的状況を打破することが最も重要であることを忘れてはいけません。秩序、規律を守るために手続き論にこだわり過ぎて、事態が悪化したら意味がありません。これはベストセラー「失敗の本質」にも書かれていることですね。

 

個人レベルでも、それらしい手続き論を見ると、なんとなく、それだけで納得してしまいそうになることってありますよね。仕事でも何でも、何を成し遂げたいのか、ということは忘れてはいけませんね。

 

政府への期待と自戒の念を込めて。

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